ムハンマド・レイハンシア・ジャシン著
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毎年7月7日に行われる「七夕」は、日本人なら誰もが知っている楽しいの祭りの一つです。その煌めくラブストーリーは幸福と希望の日として伝統的に語り継がれてきました。この日には近所や地域の人たちで紙に願い事を書き、お寺や家の前の笹の葉に吊るします。今回の記事では、この喜ばしいお祭りをもう少し深く掘り下げてみたいと思います。
今回私たちは、APUの講師の一人であるアスキュー・リエ教授にインタビューを行いました。アスキュー教授は、APUで「人文科学と現代」を担当しており、日本文学の研究を長年続けているため、このテーマについてより専門的な見解を持っています。また、APMの国内学生2年目の寺田謙太朗さんにも七夕についての個人的な意見お聞きし、より具体的なイメージを膨らませました。
七夕の由来と言い伝えの数々
アスキュー教授によると、七夕は日本では織姫(織女、ベガの星)と彦星(彦星、アルタイルの星)と呼ばれている2つの明るい星にまつわる中国の伝説に由来するお祭りです。伝説では、織姫は機織りを好んで楽しみ、二人とも働き者です。織姫の父・天帝(てんてい)は、彼女に適当な相手がすぐに見つからないことを心配して彦星を紹介し束の間の休息を与えることにしました。一目惚れした二人は結婚しました。しかし、天帝の期待とは裏腹に、二人はあまりにも遊びすぎて、織姫は仕事をおろそかにしてしまいます。 怒った天帝は、罰として二人を天の川で引き離してしまいました。
「この物語で天の川は、星と星の間を流れる天の川と位置付けられています。」と寺田さんは説明しました。落ち込んだ織姫は、父に情けをかけてもらいます。父は最終的にこのカップルを年に一度、織姫が機織りを頑張った日に会わせてあげることを許しました。旧暦の7月7日がその日にあたります。この縁起の良い日に、二人は地球を訪れ、人々の希望や願いを叶えこの素晴らしい時間を祝うのです。
日本人にとっての「七夕」とその重要性
「七夕は、五節句のひとつで、7月7日に行われます。本来は旧暦で祝うのですが、現在はグレゴリオ暦で同じ日に祝うようになっています」とアスキュー教授。日本では、2つの奇数の組み合わせは、幸運をもたらすと考えられています。奇数が2つ揃うと縁起が良いとされており、3月3日には雛祭り、5月5日には子供の日といった季節の行事が行われています。
五節句に共通するのは、季節の変わり目に人々の心を清めることです。日本では、七夕は梅雨の後、お盆の前に行われます。七夕とは、梅雨の間に溜まった汚れや邪気を祓い、死者の霊に会う前に浄化しようという意味があります。通常、日本人は日本中に散在するお寺や神社で、それぞれの願い事を口にします。さらにほとんどの祝日は厳かに祝われるものです。しかし、七夕のには、皆が外に出て、原っぱや公共の場に集まり二人の恋人の再会を祝います。
「子供の頃、七夕が来るといつも落ち着かなくてどうしようもありませんでした。このお祭りでは、子供も若者も大人も、そしてお年寄りも一緒になって思いを共有し、人生について自由に話し、神様が与えてくれたこの美しい時間を楽しみます。」と、寺田さんは子供の頃を思い出して懐かしんでいました。七夕は、明るい日を象徴するお祭りとして有名で、人々の輝かしい未来を象徴しています。
七夕は通常、大人数で祝われます。通常、各村や地域のコミュニティは、公共の場で一日中、祭りを行います。人々は厳しい日常生活からのストレスを解消するために集まります。また、七夕は神々の幸福を象徴するように、常に晴れた日に行われるとされています。
七夕と日本の観光への貢献
七夕祭りは日本全国で行われていますが、特に豪華で多くの観光客が訪れる都市が3つあります。最も有名なのは宮城県仙台市の七夕祭りです。中国の旧暦では、7月は一般的なグレゴリオ暦と1ヶ月ずれているため仙台の七夕は8月に行われます。「世界で最も優雅な短冊と笹の祭り」と言われ、初代仙台藩主の伊達政宗の時代から行われています。
公共の場はもちろん、ショッピングモールや商店街も七夕飾りで埋め尽くされます。豪華な笹や、色とりどりの垂れ幕、モチーフなどが街のあちこちで見られます。例年、8月6日から8月8日まで開催されるこのイベントには、200万人もの観光客が訪れると言われています。他にも静岡県静岡市や清水市、神奈川県などでも開催され、日本最大級の七夕祭りとして人気を集めています。
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七夕についての個人的な思い出
七夕の時期は、普段よりも人と人との間が距離が近くなります。人々は、自分の健康だけでなく、周囲の人々の幸せをも祈ります。日本は他の国と比べて控えめな社会として知られていますが、この日だけは、誰もが表現力が豊かになり、積極的になります。
「七夕では、いつも一体感を感じました。他のお祭りでは、何かしらの儀式をしなければいけないので、それほど楽しくはありませんでした。」「七夕では、誰もが同じ気持ちを持って楽しむことができます。」と健太郎さんは七夕によって自分の子供時代を潤わせたと振り返ります。
アスキュー教授は、「クリスマス同様に、七夕もスピリチュアルなイベントとしてだけでなく、浴衣を着たり、竹を風ったりして楽しむイベントとして知られている」と言います。
また、七夕には日本の小学生が短冊に願いことを書いて、教室に置かれた竹に吊るします。
「私も子供の頃、短冊に願いことを書きました。何を書いたかは覚えていません。でも、クラスメートに褒められるようなことを書きたかったのは覚えています。私は確か見栄を張ったせいで願い事が叶わなかったのだと思います(笑)」とアスキュー教授は心境を語りました。
「私がなぜ七夕が大好きかというと、織姫と彦星の伝説がとてもトマンチックだと感じたということと、そして夏休みの前にイベントがあるということですね。後者は特に、七夕が来るたびに『夏休みが近づいているな』という感じがして、とても嬉しかったです。」とアスキュー教授は言います。
パンデミックの時代にはどのように祝われますか?
ソース : Kyo no Tanabata.com
コロナ禍の影響で、私たちの生活は今、全面的に落ち込んでいます。そして七夕もその影響を受けました。各地の七夕祭りがバーチャルイベントに切り替わっていて、「京の七夕」によると、京都市では逸見ネーションショーや野外の集客イベントが中止されました。参加者は各自、自宅で願い事を紙に書いて市の担当者にまとめておくってもらいます。これらの願い事は8月16日に清水寺に集められて展示される予定です。
また、2020年の仙台七夕まつりは、宮城県で陽性者が多く出たために中止となりました。このお祭りが、ウイルスの大きな「拡大イベント」となることが懸念されました。日本政府が多くの地域で非常事態宣言を出していることから、今年の七夕祭りもオンラインで行われることが予想されました。
APU Reactは、教育委員会の指導のもと、独自の七夕イベントを成功させました。APUの学生に願い事を書いてもらい、飾ってある竹の木に願い事を吊るしました。
「私は以前から七夕の話を聞いていて、自分も七夕を体験してみたいと思っていました。しかし、今年はコロナウイルスの影響により、本物の七夕を感じることができませんでしたが、授業では日本人の先生がみんなに色紙に願い事を書いてもらい、竹の木に飾り付けをしました。」インドネシアからの留学生アントニウス・アンドリューさんは、このイベントについて語ってくれました。「この小さなお祝いは、少なくとも私には歓喜と幸福に満ちた七夕が何かを教えてくれたと思っています。来年は、別府独自の七夕祭りを見られるといいですね」。
ソース: Personal Document
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