著者: Rania Keona Aji
編集者: Shasta Kansakar
今年2021年の夏、APハウスの学生は、学生主体の新しいコンポスト・プロジェクト、「PosPos」生み出しました。中山美穂さん、井上若菜さん、永田八重さんの3人はAPSの1回生で、この「グリーンイニシアチブ」を支えています。PosPosは、APハウスの学生が出している生ゴミを、日出の庭で堆肥化することを目的としています。
画像: APハウスで回収された生ゴミ、PosPosメンバーが日出でガーデニングをしている様子(PosPosチームより)
PosPosができるまで
創業者の一人である美穂さんは、徳島県の上勝町を訪れたことがきっかけで、何かを変えたいと思うようになりました。徳島県上勝町は、日本で初めてゼロ・ウェイスト政策を実施した自治体として知られており、ゴミを45種類に分別するなど、緻密なゴミ処理システムを構築しています。美穂さんも、このようなゼロ・ウェイストの取り組みに貢献したいと考えていました。そこで、学生たちにゴミに対する考え方を見直してもらい、ゴミ捨ての習慣を変えてもらおうと、PosPosを立ち上げることにしました。生ゴミがコンポストとしてリサイクルされることを考えると、PosPosは未来のゴミ処理に貢献するための第一歩になるとチームは信じています。
画像:夏休みの予備調査に基づくデータ(PosPosチームより)
コンポストとは何か
コンポストとは、生ごみなどの有機物を、栄養価の高い肥料に変えることであり、単にコンポストと呼ばれています。コンポストは、埋立地に送られるゴミの量を減らすだけでなく、土壌を豊かにし、保水性を高める効果があります。また、生ゴミが埋立地に送られると、メタンや二酸化炭素が発生し、温室効果ガスの原因となります。そのため、APハウスに住ん
でいる学生は、PosPosを通じて生ごみを再利用することで、環境保護の一翼を担うことができるのです
画像:日出市にあるコンポスト・ガーデン(カリナ・ヴィエラ・ダルミントより)
APハウスから日出へ
PosPosのワークフローは、APハウスの住人から生ごみを回収するところから始まります。事前の調査では、1週間の生ごみの量は15リットル、さらには20.5リットルにもなりました。次に、生ゴミは日出町の畑の中にある専用の場所に運ばれ、そこで粉砕され、周囲の土と混ぜ合わされます。PosPosチームは、ブロッコリーやキャベツ、イチゴやハーブなど、実にさまざまな種類の農産物を栽培しています。では、これらの農産物はどうなるのでしょうか?これに対してPosPosチームは、「畑を手伝いに来てくれた人に、お礼として野菜を持ち帰ってもらっていました」と説明しました。
画像:日出市にある庭で育てた野菜(PosPosチームより)
長い道のり
どんなプロジェクトにも言えることですが、行く道にはまた課題があります。今現在、APハウスに中間処理場を設置したいとの意向を示したものの、長期的な計画がまだ立っていないため、許可が下りていません。これでは、APハウスで回収する生ゴミの量を増やしたいと思っても、なかなか実現できません。また、寮の掃除にコンポストを取り入れることも考えています。しかし、それはRAやPosPosに関心のない学生の負担を増やすことになりかねません。またこれに加えて、PosPosはAPハウス以外の場所でも活動を展開し、寮を出た後もコンポストを続けられるようにしたいと考えています。
PosPosチームは多くの賞賛を受けていますが、APUの学生たちはまだその活動に積極的に参加しているようには感じていません。しかし、少量のゴミを減らすことは、ゴミが環境に与える大きな影響に貢献すると信じているのです。最後にPosPosチームは、「小さな問題が大きな問題になる前に、なにもできないという状況になる前に、これからも最善を尽くします」と語りました。
PosPosの最新情報は、Instagram: @apu_composposでご覧いただけます。
写真提供:PosPosチーム、Karina Viella Darminto